お寺の掲示板 10月のことばです

早いもので今年ももう10月ですね😊
落ち葉が増えて、お寺の駐車場には銀杏の匂いが立ち込める季節になりました。

遅くなりましたが今月の掲示板のことばを新しくいたしましたので是非ご覧ください。

👇2024年10月のことば

「よろこばれっけ? よろこばれんちゃ!」

<副住職の感想>
「これは浄土真宗の教え、親鸞聖人の教えが根付いている富山県に古くから伝わる、門徒のじいちゃん、ばあちゃんが口にしていた挨拶言葉だそうです。
「よろこばれっけ?」は「あなたはあなた自身の日々を、自分の人生を、喜べていますか?」という問いかけ。
対して「よろこばれんちゃ」は「そう問われて自分自身を深く見つめてみれば、身に余るたくさんのご縁を頂いていながら、喜ぶどころか普段わたくしの口から出るのは愚痴と文句ばかりです。もったいないことです。南無阿弥陀仏」と頭が下がり、手が合わさる姿。
それが一言にギュッと凝縮された、なにげない挨拶言葉にまでなった深い信仰心であり、何かそこに明るさが感じられる一言です」

もう15年くらい前になるでしょうか😊。練馬にある「東本願寺真宗会館」での研修会で、富山県ご出身の先生から聞いた言葉です。今も私の耳に残っていて、ご法事を務めるときに時々お話ししたりしています。
これは決して「愚痴や文句を言わないようにして、感謝の心を持ちましょう」ということではありません。私たちの心はどんなに喜びや感謝という形で固めようとしても、その時の状況や、きっかけ一つで変わっていくものです。

むしろ気がつけば愚痴や文句ばかりの私の姿が見えたということ。それがそのまま仏様からの私を呼ぶ呼び声であります。そこに「お前をそのまま救うぞ」と誓われた如来の本願のはたらきがあります。
ここに深い懺悔(さんげ=自らを恥じて悔いる心)を通して「よろこばれんちゃ」と言い切って生きていける、真宗門徒の力強さと底無しの明るさがあるように思います。